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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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恋愛お題ったー 「夕方の階段」「泣きじゃくる」「花束」より
弥紀+七代で卒業式前日。



 放課後の学校は、少し切なくなる。あんなに一杯の生徒でにぎわう校舎内は静まり、廊下も階段も教室も--すべてが黄昏色に染まっていくから。
 そしてその切なさを感じることができるのも今日が最後なんだ。
 弥紀は、階段を下りる途中足を止めた。振り返り、四階を見上げる。三年間部活で通っていた音楽室。ついさっきまでいたその場所であったことを思い返し、瞼の裏がじんと熱くなった。
 合唱部の後輩が、今までありがとうございました、と花束を渡してくれた。みんなでお金を出し合ってくれたんだろうそれは、弥紀の好きな花が一杯に束ねられていた。まるで、明日卒業してしまう弥紀を送り出し、これからを応援してくれるような気持ちが伝わってくる。
 嬉しかった。だけど、同時に泣きたくなった。弥紀は明日鴉乃杜学園を卒業してしまう。もう、ここには来れなくなるのだと思うと、涙がこぼれそうだった。
 だけど笑って。最後の最後で後輩たちを困らせないように。笑顔で手を振って音楽室を出た。
 しかし階段を下りたところで堪えきれなくなった。夕暮れに染まる階段にさっきの切なさが膨れ上がって。思わず涙がぽろりとこぼれた。
 立ち止まった弥紀の頬に、堪えきれなくなった寂しさが幾筋も流れ落ちていく。
「……穂坂?」
 階段の下から声がした。はっとして見ると、七代が階段の途中で足を止めている弥紀を見上げ「どうしたんですか?」と近づく。
 弥紀は涙を拭い、なんでもないよ、と言おうとした。しかしうまく言葉にならなかった。それどころか涙はぼろぼろ溢れだし、ちょっと息が苦しくなる。
 花束に顔を埋めると、数段下まで近づいた七代は弥紀がどんな状態になっているか気づいたらしい。あ、と戸惑った声を上げ、ポケットを探り出す。
「……こんなものでよければ」
 七代はポケットから取り出したハンカチを弥紀に差し出した。ぐちゃぐちゃに畳まれた状態の悪さに「あ、ごめんなさい」と七代はきちんと四つに折り直し改めて差し出す。
「洗濯はちゃんとしてますから。綺麗ですよ」
「うん……ありがとう」
 ぐちゃぐちゃでも構わなかったのに。弥紀は几帳面な七代の好意をありがたく受け取った。目元をこすり、涙を拭っていくが涙はぽろぽろと止まらない。
「ふふっ、ごめんね。なかなか止まらないや」
 笑って言う弥紀に「いいですよ」と七代が返した。
「どんどん泣いちゃえばいいんです。悲しいことじゃ……ないんでしょう?」
「……うん」
 弥紀は頷いた。そう、これは悲しいことじゃない。後輩に未来への道行きに向かって背中を押してもらえた。
 七代に借りたハンカチは、どんどんこぼれる涙を吸い込む。鼻先をもらった花束に近づけた。
 泣いているせいか、少し花の匂いがわからない。ちょっともったいないなぁ、と思う弥紀の頭を七代の手が優しく撫でた。




そして数分後に燈治、そして巴ちゃんがやってきて、みんなでドッグタグ行くか!的な流れになる。

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