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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 体育に備えて体操服に着替えるため、女子が隣の教室へと移動する。じゃあね、と手を振って同じように出ていった弥紀を見送り、七代も着替え始めた。
「今日の体育は何でしょうねー」
「野球だろ」と後ろで学ランを脱いだ燈治が言った。
「それは壇の希望じゃないですか。壇は本当野球大好きっ子ですねえ」
 体育だけは絶対にさぼらず喜々として参加する燈治に、七代は苦笑を漏らす。まだ体育で野球をするかどうかすらわからないのにあのはしゃぎよう。まるで子供みたいだ。
 でも七代も体育は嫌いではない。嬉しそうな燈治の表情を見ているだけで幸せな気分になれるから。
 スクールベストを脱いで机に置く。もたもたしながらカッターシャツのボタンを外していると「まだか?」とすでに着替え終わった燈治が七代の前に回り込んだ。そして視線が七代の腹部に向けられる。
「……お前、ちゃんと食ってるのか?」
「はい?」
 ジャージを手に取った七代が「やだなぁ、食べてますよ」と答える。うまい棒とかですけども。そう心の中で付け加える。バカ正直に答えたときには燈治からのお叱りを受けること間違いなしだ。
「本当かよ」
 案の定燈治は疑う。腕を伸ばし、七代の肌がむき出しになった腰を掴み腹を揉んだ。
「うひゃっ!?」
「っち。ぜんぜん肉ついてねえじゃねえか、肉。これ見ろよ、薄すぎるだろ」
「じ、自分の身体ですからわかってますよ。ってか……そんな触らないでって……ふわっ」
 わき腹に撫でて細さを確かめる燈治の手の感触がくすぐったい。七代は身を捩って「もう止めてくださいってばぁ!」と空気を読まない不謹慎な手を叩く。
「あぁ?」と行為を阻まれ睨む燈治に、頬をほんのり上気させた七代が「周り! 周りを見てくださいって!」と言った。
 周囲で着替えていた男子生徒たちがこちらを一斉に注視している。二人のやりとりに、教室が水を打ったような静けさになっていた。中には七代の上擦った声に頬が赤くなっているのもいた。
「っ」
 目立ちすぎてしまった状況に、燈治は手を離す。解放され、はあっと息を吐いた七代は「もう……触るんだったら二人きりの時にしてくださいよ」と言い、着替えを続行する。
 七代の発言を受け、同級生たちがざわついた。二人の関係を探るように、また視線が集中する。
 お前らには関係ねえ。好奇の視線を睨みつけて抑え込み、燈治は「さっさと着替えろよ」と七代を急かした。
 もう、さっきみたいなことはしないと心に誓う。
 七代との時間を誰にも邪魔されたくなかったから。



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