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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 ある休日。燈治は意外な人物から呼び出しを受けて新宿駅まで来ていた。
 待ち合わせ場所は西口。到着した燈治は壁際でぼんやりと雑踏を眺める姿を見つけ「雉明!」声をかける。
 声に気づいた雉明が、燈治を振り向いた。心なしか、元気がないようだ。
「急に呼び出して、すまない」
 顔を合わせるなり神妙な表情で謝る雉明に「いや、構わねえけどよ」と燈治は首を振った。
「でもいきなりどうしたんだ? 千馗にも知らせずに来てほしい、なんてよ。もしかしてお前、千馗に何も言わずここまで来たのか」
「……ああ」
 冗談半分でした質問に頷かれ、燈治は眉を跳ね上げる。雉明が七代に黙って出てくるなんて。
 雉明は羽鳥家に七代、白ともども居候している。元々呪言花札の番人である雉明は、最後の主でもある七代をとても大切にしていた。何をするにも七代を一番に考え、行動する。だから今回の行動は珍しい。
「マジかよ……。そこまでして、一体何の用事なんだ?」
「……この前、誕生日を祝ってもらった」
 ぽつりと雉明が呟いた。脈絡ない話の飛びに「お、おう」と燈治は目を丸くする。
「初めてのことでとても嬉しかった……。千馗も贈り物してくれて」
「そ、そりゃあよかったな……」
 燈治はこっそり物憂い溜息を吐いた。こっちは誕生日にプレゼント、とかしてもらったことがない。まだ七代と共にその日を迎えたことがないのだから仕方ないけども、やはり羨ましく思ってしまう。
「おれも七代の誕生日を同じように祝いたいから、聞いてみたんだ。そうしたら千馗もおれと同じ誕生日だったみたいで……」
 言葉を区切り、雉明は睫を伏せる。落ち込んだ様子に燈治は察した。
「要はせっかく千馗の誕生日だってのに、何も贈れないのが悔しいんだな」
「……そう、だと思う…………」
「アイツもなあ……前もって言っておきゃいいのによ」
 後頭部を一つ掻いて、燈治は鴉羽神社の方向を睨んだ。七代は肝心なときに自己主張をしてくれない。彼の誕生日を祝いたい人間は沢山いるだろうに。同時にこんな機会に七代の誕生日を知ってしまった燈治もまた歯噛みする。聞かなかったこっちも落ち度はあるが。
「千馗は贈りたい気持ちだけで十分に嬉しい、と言ってくれたけど。おれはやっぱり千馗に贈り物をしたい。だけど、おれはまだ千馗の好きなものが何かわからないから」
 雉明が燈治の目をまっすぐ見て請う。
「一緒に来てくれないだろうか。――千馗への贈り物を選んでほしい。壇なら千馗の好きなものをおれよりも知っているんだろうから、教えてほしい」
「……なるほど。そりゃあ千馗と一緒に行けねえよな」
 燈治はにっと笑った。
「わかったつきあってやるよ。その代わりあげたときの奴の反応、ちゃんと教えてくれよ?」
「わかった」
 真面目に頷く雉明に燈治は笑って「楽しみにしてるぜ」とその肩を叩く。そして「じゃあ早速行くか!」と促し二人は雑踏へと足を踏み入れた。


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