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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 雉明は目を覚ました。
「……」
 ぼんやりとした意識で、板張りの天井をじっと見つめる。筑紫に与えられたマンションの一室では、どこか冷たさを連想させるそれよりも、随分暖かみを感じられた。
 ここは、どこだろう。額を手で押さえ考える雉明の眼が、不意に大きく開かれた。同時に意識の底で蟠っていた眠気も吹き飛んでしまう。
「……千馗」
 右肘を突いて上体を起こした雉明は、隣を見た。
 並んで敷かれていた布団。雉明の方を向いて、七代が身体を丸め眠っていた。
 雉明は信じられない気持ちで、安らかな寝顔を凝視する。布団から抜け出して七代の前へ正座し、彼の口元へ耳をそっと近づける。
 規則正しく聞こえる、七代の寝息。
 ちゃんと七代は生きている確認がとれた雉明は、ようやく安心した。
 昨日、すべてが終わった。
 呪言花札は《力》を解放し、以前のような災禍をもたらす存在ではなくなった。そして札の番人である雉明と白もまた、人に近い存在となって戻ってきた。
 ――七代の元へと。
 まるで、夢のような話だ。これまでずっと、主を呪言花札の封印の礎として命を奪い、主を大切に思っていた人たちを悲しませてきたから。
 だから、雉明は今ここにいる状況が夢だと思ってしまった。ふとした弾みで目が覚め、また呪言花札を破壊するために一日を生きるのだと。
 でもこれは夢じゃない。雉明はそっと布団から出ている七代の手を上から包み込んで握りしめた。
 手のひらから伝わる七代の体温は、とても温かい。彼が生きている何よりの証。
 夢じゃない。改めて確かめた事実を噛みしめ、雉明は七代の温もりを愛おしく思う。
 もう少しこの温もりに触れていたい。七代の手を離しがたくなってしまった雉明は、しばらく手を繋げたままでいた。彼が目を覚まし、驚いた顔をされるまで、ずっと。


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