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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 お待たせしましたー、とファーストフードの店員が注文待ちの商品をトレイに乗せて持ってきた。燈治が受け取ったそれには、たくさんのハンバーガーやポテトが一つの山みたいに乗せられていた。
「……すごいですねえ」
 先にハンバーガーを両手で持って食べていた七代は目を丸くした。余りの多さに、トレイの下に敷いてあるペーパーすら見えない。どれぐらいお金かかってるんだろう。
「あ? これぐらい普通だろ?」
 あっさり返した燈治は「んじゃ、いただくとするか」とさっそく手近のハンバーガーに手を伸ばす。包みを広げ出てきたハンバーガーを大きく開けた口でかぶりついた。
 一口で半分近く食べられてしまったハンバーガーに、七代は自分が手に持っているモノを見下ろす。まだ半分もなくなっていない。どうやらおれの三口分と壇の一口分は同じ容量みたいだ。
 七代が唖然としているうちに、ぱくりぱくりと燈治はあっと言う間にハンバーガーを一つ平らげてしまった。そして今度はポテトに手を伸ばす。
「壇の普通はおれのとはちょっと違ってるみたいですけど」
 小さくかじったハンバーガーをよく噛んでから飲み込み、七代は言った。そもそも注文する量が違いすぎる。
 しかし燈治は「俺からすれば、お前の少食の方が気になるぜ」と指についたポテトの塩気をなめながら言った。
 ハンバーガーやポテトでぎっしりの燈治のトレイに比べ、七代のは一番安いハンバーガーに最小サイズのシェイク。それだけしか乗っていない。
「いや……少食と言うよりケチってるんだっけか」
「ケチとは失礼ですね。節約と言ってください」
 七代はむっとした。封札師は洞探索用の武器や、OXASに提出する書類作りのための資料など色々入り用になる。澁川に仕事を紹介して貰っているが、それでも必要なものを買えばすぐになくなってしまうのが現状だ。削れるものは削って、資金を少しでも浮かせたい。
 考え込む七代の表情から節約を止めるつもりはないと読んだらしい。燈治は「だからってこういうことまでケチんな。そんなんじゃいつか倒れるぞ」と苦々しい顔をした。
「でも……」
「これ、食えよ」
 突然七代のトレイに燈治がポテトを丸ごと入れた。
「え、これ壇のじゃ……」
「俺はたくさんあるからいいんだよ。いいから、さっさと食え」
「でも……」
 人様のモノを貰うなんて、と恐縮する七代に燈治は「もうそれはお前のモノだからな。ちゃんと残さず食えよ」と話を切り上げてしまった。呆然とする七代を余所に、また新たなハンバーガーへと取りかかる。
 黙々と食べる燈治はもう反論は聞かないと暗に言っているようだった。七代は強引だなあ、と小さくため息をつき両手をあわせる。
「……じゃあ、いただきます」
「おう」
 ハンバーガーをトレイに戻し、ポテトを一本摘んだ。先端から口をつけ、少しずつかじっていく。
 ――ハムスターみたいだな。
 ちらりと七代の様子をうかがった燈治は、小動物のような仕草を連想する。頭の中で浮かんだ一生懸命食べるハムスターが目の前の七代とぴったりうまく重なり、思わず上がってしまった口元を燈治は口元をハンバーガーを食べるふりで隠した。


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