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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 下校時刻になり、帰ろうとした七代のズボンから軽快な音楽が流れた。「あ」と七代がズボンのポケットに手を突っ込み、携帯電話を取り出す。
「どうした?」
 後ろの席で帰り支度を済ませた燈治が尋ねると七代は「義王からメールきました」と着信主の名前を告げた。
「鬼丸だぁ?」
 出てきた名前に燈治は顔を露骨にしかめた。あまり歓迎したくない存在だ。
 鬼印盗賊団の頭である鬼丸義王は呪言花札を巡り、七代と幾度も対峙してきた。だが紆余曲折の後に和解し、仲間になったまではいい。しかし義王はやけに七代と行動を共に取りたがり、彼に対する執着を見せ始めている。
 恐らくはこっちと同じ想いを七代に抱いているのだろう。一度七代の隣を陣取った時、勝ち誇りしたり顔をした義王は、見ていて燈治の神経を逆撫でした。いつだって七代の隣に立っているのは自分でありたいのに。
「で、何だって?」
 机から身を乗り出し、苛立ちも隠さず燈治は尋ねる。眉根を寄せながら七代はメールを読み進め「……今から寇聖に来い、だそうです」とため息混じりに答えた。
 こちらの都合も考えない身勝手さに、燈治は腹を立てる。
「今から来いだぁ? 勝手なこと言いやがって」
「どうしましょう……」
「断れ」
 戸惑う七代に、燈治は言い切った。どうせまた七代を独占したいが故のわがままだ。そんなものに七代がつきあう筋も道理もない。
「だけど断ったらまた御霧の眼鏡が壊されるんですけど……」
「そんなのいつものことだろ。いいからほっとけ」
「ほっとく訳にはいきません!」
 すげない言い方に、七代がむっとして燈治を振り返った。
「眼鏡だってただじゃないんですよ。高いんですよ。どんどん壊されたら御霧だってたまったもんじゃないですか。近眼だって強いのに……。決めました」
 開きっぱなしだった携帯を操作して、七代はメールの返信を書き出す。
「おれ、義王のところにいきます」
「おい」
 それじゃ奴の思うつぼだ。燈治は反論しかけ、ぎっと七代に睨まれてしまった。
「勘違いしないでください。今回は義王にお説教しにいくんですから。ものは大事にしないといけないってちゃんと言い聞かせないとクセになっちゃいますから」
「……わかったよ」
 七代は一度こうと決めたら考えを曲げない。これは無理に行かせまいとすると余計に怒らせてしまう。燈治は仕方なく引いた。
「だけど、俺も一緒についていくからな」
 みすみす七代を狙っている奴の元へ一人で行かせてたまるか。面倒くさいことはとっとと終わらせるに限る。
「よっし、そうと決まればとっとと行くか」と七代の返事も聞かず、彼の背中を叩いて行動を促した。



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