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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 花園神社にある春の洞へ向かう途中、燈治と七代はコンビニに寄っていた。洞の探索は隠人との戦闘もあるので、思いの外空腹になってしまう。大量に食料を買って、多すぎたと思っても余ることは皆無だった。
 目についた総菜パンを持っていたカゴに入れていく燈治は、ふと菓子が陳列されている棚を見た。
 しゃがんだ七代が、顎に手をやり買うものを品定めしている。視線の先にあるのは菓子類でも特に安い駄菓子。
 またか、と燈治は首の後ろへ手をやった。
 七代は節約だと言い、最低限必要なものしか買わない。少ししか着ないしもったいないからと学ランも買わず、こうして食べるものすらぎりぎりまで出す金額を削る。結果、七代の口に入るのは駄菓子が主だ。それでは腹もすぐに減るし、栄養だって偏る。
 目の前で倒れられたら、と思うと気が気じゃないときだってある。常日頃から心配している燈治はつい、空腹のあまり倒れる七代を想像し、心臓が鷲掴みされるような痛みを感じた。
 首にやっていた手で後頭部を掻き、燈治は七代に近寄った。おい、と悩み続ける七代の二の腕を掴み、引っ張り上げる。
「……壇?」
 きょとんとする七代をそのまま冷蔵ケースまで連れていった。サンドイッチやおにぎり、弁当が並べられている棚を指し「好きなの選べよ」と言った。
「何でです?」
「お前いつも駄菓子ばかりだろ。奢ってやるからたまにはこういうのも食えよ」
「駄目ですよ」と七代が慌てて首を大きく振った。
「それじゃ壇のお金がもったいないです」
「俺のことは気にすんなよ。それよりお前はもっと食うべきだ」
 カッターシャツの袖から覗く手首は、男にしては華奢な印象を燈治に持たせる。七代が弱いだなんて、露とも思わない。だがやはり痩せ気味の身体は見ていて不安になる。
「ええー……、でも……」
 七代が遠慮するつもりなら、こっちは遠慮しない。躊躇する七代に「選ばないんなら全部買うぞ」と片っ端から燈治は商品をカゴへ入れていく。
「ちょ、ちょっと壇!?」
「言ったろ。お前はもうちょっと食べるべきだってよ」
「だからってそんな無茶は……! ああ、もうわかりましたよ!」
 このままでは余計に燈治の財布が痛手を負うと察したらしく、七代が折れた。燈治の手からカゴを奪い「選びますから無茶はやめてください!」と入れられた商品を元の場所へ戻していく。
「分かればいいんだ」
 多少強引な行動が功を奏し、燈治はご満悦な笑みを浮かべた。
「全く……無茶苦茶なことをして……」
 むくれる七代に「お前の為を思って言ってるんだ」と燈治は相棒の頭を軽く叩く。
「ほら、早く選べよ」
 これからもきちんと食べさせないとな。妙な使命感を持ち始めた燈治は、渋々商品を選ぶ七代を見てそう思った。

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