小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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「ハル。今日アキラ戻ってくるの、かなり遅いよ」
日付が変わるころになってもリビングのソファに寝そべり、テレビを見ているハルに「朝には戻ってるだろうし、部屋で寝てろよ」とユキが促す。いつもならもうハルはとっくに寝ている時間だ。
しかしハルはテレビに視線を固定したまま「おきてる」と聞かない。
「アキラが戻ってくるまで待ってるもん」
「寝不足になったら辛いのはハルだぞ」
「いーもん」
「……ったく」
ユキはゆっくり首をふった。一度言い出したら聞かないんだから、コイツ。早々に諦めが立ち、ソファ横の押入れを開けた。ブランケットを取りだし、ハルにかける。
「ユキ?」
身体をふんわり包み込む感触に、ようやくハルがユキを振り返った。
「このまんまじゃ風邪ひくだろ。アキラが戻ってきたら心配するぞ」
「ユキも、心配する?」
「あったりまえだろ」
ユキにとってハルは友達であり、家族そのものだ。ケイトが身体の調子を崩した時と同じように、ハルも元気がなくなったら、胸が苦しくなる。
「ありがとうユキ。あったかいよ」
寝返りを打って、ハルはブランケットの柔らかさを堪能する。芋虫みたいに丸くなる姿は、まだまだ幼い子供のようだ。だからついつい心配しちゃうのかも、とユキは自分の心情に納得する。
「ちゃんとアキラが戻ってきたら、すぐに寝ろよ」
「うん」
頷くハルの目は、よく観察するととろんとしている。傍にいて、寝たら部屋まで運ぶかな。そう思いながら、ユキはソファ近くのスツールを引き寄せて座った。せめてアキラが早く帰ってきますようにと願いながら。
20のお願い(6、心配させないでください)
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