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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 油をしき、熱したフライパンに殻を割った卵を落とした。塩を表面に少々振り掛ける。白身が固まってきたところで水を入れ、素早く蓋をした。火加減を調節し、すぐさま隣のコンロに作業の手を移す。
 弱火で煮込んでいたカレーを掻き混ぜ、少量を小皿にとった。味を見て、頷く。やっぱりカレーは時間をかけたほうが美味しくなるもんだ。
 丸い器型にかたどったご飯を皿に盛り付け、カレーをかける。皿を汚さないよう、丁寧に。そして、半熟に固まった目玉焼きをご飯の上に乗せた。
 仕上げに、カレーの上へしらすをかけ、アキラ特製のしらすカレーが完成した。
「ほら、出来たぞ」
 あわせて作っておいたラッシーもお盆に乗せ、アキラはダイニングに移動する。テーブルには、スプーンを持ったハルが、今か今かとしらすカレーの到着を待っていた。目の前に置かれたしらすカレーの美味しそうな香辛料の香りに「わーい!」と両手を上げて歓声を上げる。
「しっかし……お前しらすカレーは『ない』んじゃなかったのか?」
 あまりの喜びようにアキラは苦笑しながら、ハルの向かい側の席へとついた。ユキからしっかり聞いている。しらすカレーの名前を見るなり「ないな」と真顔で切って捨てた、と。だからアキラはハルにしらすカレーを振舞ったりはしなかった。ハルにとって、しらすとカレーの組み合わせがないのなら、わざわざ作ることもあるまい。苦手なものを出して評価を下げたくない考えもあった。
 まさかハルからのリクエストが来るとは、な。アキラは頬杖をついて、さっそくご飯の山を崩し、カレーと合わせて口に運ぶハルを眺める。
「食べたいって言ったからには、残さず全部ちゃんと食えよ? お前のために愛情込めて煮込んでやったんだからな」
「愛情? ……うん、残さず食べる」
 ハルは表情を緩ませる。それだけで、アキラは作った甲斐があった、と思った。
「いっただっきまーす!」
 大きな口を開け、ハルはひと口目をほお張る。よく噛んで飲み込み、そしてにっこり笑った。
「アキラのカレーおいしーい! しらすカレーは『ないな』、じゃなかったなぁ」
「当たり前だろ。俺が作ったカレーなんだから」
「アキラの愛情がたくさん入ってるからだよね~」
「……そうだ。だからちゃんと食えよ」
「はーい!」
 ハルが元気な返事がすぐに返した。アキラはどんどんカレーを平らげていくハルに目を細める。今度はもっと凝った味付けにしてみようか。そんなことを考え、次に作る時のことを思った。


20のお願い(2.全部食べてください)

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