小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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(4、せめて事前に言ってくださいの続き)
ハルといる時間、自分の表情が通常より数倍緩んでいるのは自覚気味だ。だからこそ黙って江ノ島まで来たジョージ・エースには見られたくなかった。
わかっている。DUCKがもつ監視能力は、そこらの組織よりずば抜けていることも。外出を控える今だって、どこかに設置している監視カメラでこちらの様子を眺めているに違いない。
機嫌を損ねそっぽを向いた恋人に対し、平身低頭で謝る姿を見て、上司は何を思うだろう。後でわざわざしなくてもいい報告が入りそうで、アキラはうんざりした。こっちが困り果てるのがそんなに楽しいか、ちくしょう。
「アキラの嘘つき。今日スカイツリー連れてってくれるって約束してくれたのに」
せっかくのデートが流れて、すっかりご機嫌斜めになったハルは、アキラに背中を向けてソファに乗っていた。背もたれに身体を預け「ぼく楽しみにしてたのに」とふてくされる。
「いや、だからその、悪かった」
所在無くアキラは両手をもてあそび、ハルの隣に腰を下ろす。宥めるため肩に伸ばした手は、邪険そうに振り払われた。
「ハル」
「楽しみにしてたのに……」
「悪かったって。今回はどうしても駄目なんだ。さっきも言っただろう、今出たら監視がつくような状態で楽しめるか?」
「ぼく、気にしないもん。前だってアキラがぼくを監視してたのとおんなじでしょ?」
「だから、今日のは俺も含まれてるんだってば」
「アキラ、観念して出かけたら?」
ダイニングのテーブルで、成り行きを見守っているユキを「お前、他人事だと思って」とアキラは忌々しく睨む。しかしユキは「いいじゃん。ハルは構わないって言ってるんだし」とあっさり受け流す。
「だがしかし……」
このまま出かけても、監視がついてると思ったら十分に楽しめそうもない。いっそ抜き打ちでやってくれたら、とアキラは連絡をよこしたジョージ・エースを恨んだ。こんな状況になるのを見越してやってるんじゃないだろうな、あの人は。
「……頼むハル。今度、来週行こう。今日行けなかった分、他にも色々連れてってやるから。なんだったらお前の好きなものも買ってやる。言うことだってなんでも聞く、だから今日は勘弁してくれ」
ずっと顔をそむけていたハルが、懇願するアキラをちらりと見た。
「……じゃあ一緒にお風呂入ってくれる?」
「……わ、わかった」
「それでぼくと一緒に寝てくれる。毎日」
「毎日? 風呂もか!?」
「アキラ、なんでも言うこと聞くって言ってたよね」
ユキの援護射撃が横から入り、アキラは呻く。本当にお前はいついかなる時もハルの味方だよな。わかってたけど。
ハルの訴えるような視線も加わり、アキラはなすすべなく諸手をあげた。
「わかった。わかったから!」
降参したアキラに「やったぁ!」とようやくハルはふくれっ面をやめた。
「今日から一緒にアキラとお風呂だー!」
両手を大きく広げ喜びをアピールするハルに、ぐったりとアキラが肩を落とす。
「やくそく!」
小指を立てたハルに「あー……、はいはい」とアキラが同じように小指を絡める。
監視されているデートか、毎日理性を総動員して恋人と一緒に入浴と就寝か。どっちがマシだったんだろう。苦悩するアキラを余所にハルは「ゆーびきーりげんまん――」と楽しそうに歌っていた。
20のお願い(8、約束してください)
ハルといる時間、自分の表情が通常より数倍緩んでいるのは自覚気味だ。だからこそ黙って江ノ島まで来たジョージ・エースには見られたくなかった。
わかっている。DUCKがもつ監視能力は、そこらの組織よりずば抜けていることも。外出を控える今だって、どこかに設置している監視カメラでこちらの様子を眺めているに違いない。
機嫌を損ねそっぽを向いた恋人に対し、平身低頭で謝る姿を見て、上司は何を思うだろう。後でわざわざしなくてもいい報告が入りそうで、アキラはうんざりした。こっちが困り果てるのがそんなに楽しいか、ちくしょう。
「アキラの嘘つき。今日スカイツリー連れてってくれるって約束してくれたのに」
せっかくのデートが流れて、すっかりご機嫌斜めになったハルは、アキラに背中を向けてソファに乗っていた。背もたれに身体を預け「ぼく楽しみにしてたのに」とふてくされる。
「いや、だからその、悪かった」
所在無くアキラは両手をもてあそび、ハルの隣に腰を下ろす。宥めるため肩に伸ばした手は、邪険そうに振り払われた。
「ハル」
「楽しみにしてたのに……」
「悪かったって。今回はどうしても駄目なんだ。さっきも言っただろう、今出たら監視がつくような状態で楽しめるか?」
「ぼく、気にしないもん。前だってアキラがぼくを監視してたのとおんなじでしょ?」
「だから、今日のは俺も含まれてるんだってば」
「アキラ、観念して出かけたら?」
ダイニングのテーブルで、成り行きを見守っているユキを「お前、他人事だと思って」とアキラは忌々しく睨む。しかしユキは「いいじゃん。ハルは構わないって言ってるんだし」とあっさり受け流す。
「だがしかし……」
このまま出かけても、監視がついてると思ったら十分に楽しめそうもない。いっそ抜き打ちでやってくれたら、とアキラは連絡をよこしたジョージ・エースを恨んだ。こんな状況になるのを見越してやってるんじゃないだろうな、あの人は。
「……頼むハル。今度、来週行こう。今日行けなかった分、他にも色々連れてってやるから。なんだったらお前の好きなものも買ってやる。言うことだってなんでも聞く、だから今日は勘弁してくれ」
ずっと顔をそむけていたハルが、懇願するアキラをちらりと見た。
「……じゃあ一緒にお風呂入ってくれる?」
「……わ、わかった」
「それでぼくと一緒に寝てくれる。毎日」
「毎日? 風呂もか!?」
「アキラ、なんでも言うこと聞くって言ってたよね」
ユキの援護射撃が横から入り、アキラは呻く。本当にお前はいついかなる時もハルの味方だよな。わかってたけど。
ハルの訴えるような視線も加わり、アキラはなすすべなく諸手をあげた。
「わかった。わかったから!」
降参したアキラに「やったぁ!」とようやくハルはふくれっ面をやめた。
「今日から一緒にアキラとお風呂だー!」
両手を大きく広げ喜びをアピールするハルに、ぐったりとアキラが肩を落とす。
「やくそく!」
小指を立てたハルに「あー……、はいはい」とアキラが同じように小指を絡める。
監視されているデートか、毎日理性を総動員して恋人と一緒に入浴と就寝か。どっちがマシだったんだろう。苦悩するアキラを余所にハルは「ゆーびきーりげんまん――」と楽しそうに歌っていた。
20のお願い(8、約束してください)
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