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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 両手で包んだ頬は柔らかく、さらさらしていて、ちょっぴり冷たかった。
 ほんの少し手首に力を入れるだけで、上向けられる顔。スミレのような淡い紫色をした瞳が、こちらを見ている。
「アキラ?」
 これからどうなるか、興味津々の視線が突き刺さる。行動を仕掛けたアキラは純粋な眼差しに、目を泳がせた。
 そうなんだよな。外見こそ高校生ぐらいだが、中身はまだ幼い子供に近い。未成熟な心を持つハルに、やたらむやみに触るのは教育上よくないのか。アキラはつい、親視点で物事を見てしまった。
 身体が固まり黙ってしまったアキラに「どうしたの、アキラ。ぼくの顔に何かついてる?」と尋ねた。
「いや、そういう訳じゃ」
「じゃあ、この手はなに?」
 ハルがアキラの両手に触れた。頬と同様に、やっぱりほんのり冷たい。しかしアキラはハルの温度を感じている余裕がそぎ取られていく。ここはやっぱりゴミがついていたということにして、さっさと手を離してしまおうか。いやしかし、ここまで来たからには行動に移さねば。今度はいつ機会が巡ってくるかわからないんだぞ。
 悩むアキラに「もしかしてアキラ、ぼくとちゅーしたい?」とハルが核心をついた。
 そのまさかだった。図星をつかれ、アキラはびくりと肩を震わせる。
「……どうしてそう思うんだ?」
 平静を装いつつ、アキラは根拠を聞いた。
「この前テレビで見たよ。スーツのお兄さんが、きれいなお姉さんにアキラとおんなじことしてた。その後ちゅーしてたよ。だからアキラもぼくとちゅーする?」
「しても……いいのか?」
 念を押してしまうアキラは、自分が情けなくなった。だが、無理やりしてハルに嫌われてはならない。
「うんっ、いいよ。ぼくアキラとちゅーしたい!」
 ハルの返事は明快だった。色よい返答に、アキラはほっと胸をなでおろす。
 許可も得た。アキラはさっそく行動を実行に移しかけ――すぐに困ってしまった。
「……ハル」
「うん?」
「こっちを見ないでもらえるか?」
 ハルは瞼をぱっちり開けて、アキラのキスを待っていた。だがアキラからすると、突き刺さる視線のせいで、最後の一歩が踏み出せない。
「どうして?」
「緊張するんだよ。……それにその、あれだ。マナーだよマナー。こういう時は目を閉じるのが決まり事ってもんなんだ」
「ふぅん……、地球っていろんな決まりごとがあるんだね」
「そうだ。だから瞼を閉じろ、ハル」
 思いつくまま理屈を並び立てるアキラに、ハルは頷き「はいっ」と瞼を閉じる。
「これでいーい?」
「ああ。……あと一つ」
「もう一つ? なに?」
「口を閉じて。黙ってくれ。口が開いてちゃ、触れられないからな」
 そう言ってアキラはそっと首をかがめ、ハルの顔に顔を伏せた。

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