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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 台所で、割烹着姿のケイトがスツールに座っていた。テーブルに置かれたボウルの中には薔薇の花びらが山盛りになっている。それを一つずつ手に取って、丁寧にがくを取り除いていた。
「ケイト、何しているの?」
「あら、ハル」
 そこにやってきたハルへ顔を上げ、ケイトは「今ね、ジャムを作る準備をしているの」と教えた。
「ジャム?」
 ハルは目を丸くする。ジャムって言うのは、林檎やオレンジ、苺、果物からできるものだと思っていた。
「花って食べられるの?」
「もちろん。そうだ、ハル手伝ってくれる? 一緒にジャム作りましょ」
「うん! ぼくケイトのお手伝いする!」
 ハルは台所へ降り、ケイトの隣に立った。ボウルの中にある薔薇を、好奇心できらめく瞳で見つめる。これが、どんな風になっていくのか。今から楽しみになってしまう。
「花にね、がくがついているでしょう?」
 ケイトは切り取った薔薇の下についている緑を指で示し、ハルに伝える。
「これを取るの。じゃないとジャムが美味しくならなくなっちゃうから」
「わかった!」
 元気よく返事をし、ハルはケイトの言う通り花びらについたがくを取り除いていく。楽しそうに、鼻歌を歌いながら。ちょっとリズムは外れているけれど、聞いていると元気が出てきそうだ。
「ねえ、ケイト。がくを取ったらどうするの? 難しい?」
 待ちきれないようにハルが次の工程を聞きたがる。
 ケイトは首を振って「大丈夫、簡単よ」と作り方を教えた。水で煮込み、砂糖やレモン汁、粘り気を出すためのペクチンを入れる。
「すっごーい! 簡単にできるんだね!」
「ちょっと時間はかかるけどね。でも時間をかけた分だけ、おいしくなるのよ」
「すごいね……」
 感嘆し、ハルは自分の掌にある花びらを見つめた。
「ねえ、ケイト。これちょっともらっていーい? ぼくも作ってみたいな」
「あら、いいわね」
 素敵な提案にケイトは喜んで賛成した。
「じゃあお鍋を二つ用意して作りましょう? 私も手伝ってあげるから。美味しくできたら、ユキやアキラさんにも食べてもらいましょう」
「うん! ぼく、がんばって作る!」
 頬を赤く染めて、ハルは首を縦に振る。
 ハルったら、とっても嬉しそう。再び聞こえてくるハルの鼻歌に耳を傾け、ケイトは優しく微笑んだ。

20のお願い(18.手伝ってください)

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