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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 部屋で大地がのんびりすごしていると、テーブルにおいていた携帯がなった。発信者の名前は鳥居純吾。携帯を手に取り「珍しい」と大地は驚いた。
 純吾は優輝にはよく電話をするが、大地には殆どと言っていいほどない。優輝とは共に行動することも多いから、たまに用事があれば、純吾と通話がつながっている携帯を借りれば済むことで。
 直にこっちにかけるなんて、と大地は恐る恐る開いた携帯の通話ボタンを押した。
「も……もしもし?」
「あ? ダイチ? こんにちは」
「はいはいこんにちは~っと。これ、優輝の携帯じゃないけど大丈夫かね?」
 とりあえず大地は先回りして尋ねた。万が一、かけ間違いの可能性もあるかもしれない。しかし純吾は「大丈夫だよ。ジュンゴ、ダイチに携帯かけた」と答える。どうやら純吾自身の意志で、大地の携帯にかけたようだ。
「いったいどうしたの、優輝じゃなくて俺に電話って」
「うん……」と携帯の向こうで純吾が恥ずかしそうに話を切り出してきた。無意識に、大地は身構える。
「あのね、ダイチに優輝の食べ物の好き嫌い教えてほしいな」
「へ? そら、いいけどさ……。聞いてどうするの?」
「うん、ジュンゴもっと優輝にジュンゴの作ったもの、食べてもらいたくて……」
 通話の向こうで顔を赤らめる純吾が、ありありと思い浮かぶ。好きな人の為に努力する姿はいじらしく大地は請われるまま優輝の好き嫌いを教えた。しっかりとメモに書き留めるペンの音が聞こえる。
 覚えている限りを伝え終わると「ありがとうございます」と純吾は礼を言った。
「ジュンゴ、がんばるね」
「おー、がんばれがんばれ」
 それじゃあ、と通話が切れ、大地は携帯を閉じた。遠距離恋愛を展開している二人だ。ささやかだが協力してやりたい気概ぐらい大地にもある。純吾もまた、優輝との距離を縮めようと、会う度に優輝へ料理を振る舞っていた。優輝もまた純吾の料理じゃないと物足りないと言っていたし、効果は抜群だろう。
「……ん?」
 ふと引っかかるものを感じた。
 もしかして優輝の奴、ジュンゴに餌付けされてないか……?
「………………ま、いっか」
 実害はないのだから放っておこう。大地は疑問をないものとして放り投げた。世の中には知らないほうが幸せなこともあるのだ。例え、幼なじみがまんまと純吾の張った罠にかかったとしても、だ。恐らくつっこんだら怖い目を見そうな気がする。
 再び携帯がなった。今度は優輝からだ。
 こっちは遊びのお誘いかなと思いつつ通話にでて、聞こえてくる幼なじみの声に、内心、すまん、と手を合わせて謝罪した。

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