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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 何気なく並び立っていた日向を見た時、陽介は気づいてしまった。相棒の横顔を見る自分の目線が、少し上がっている。ほんの数か月前までは、同じ高さだったのに。
「ちょ、おま……」
「――ん?」
 戦慄く声に、陽介を見た日向が首を捻る。
 陽介は掌を水平にした右手をまず自分の頭上に合わせ、そのまま日向へと移動させた。まっすぐ移動した先には、日向の額。僅かな、しかし明確な差を前に「お前、何で身長伸びてんの?」と後ずさった。
「身長ぐらい伸びるだろ。成長期なんだから。それに個人差だろこういうのって」
「そりゃそうだけど……!」
 至極当然の反論をされ、陽介は口ごもる。日向は当たり前のことを言っているが、それでも陽介は相棒と一緒の目線でいたいと思っていた。もし橿宮の身長がまだまだ伸び続けたら、同じものでも違って見えるんじゃ。
  そこまで考え、陽介は己の狭量さが情けなくなってきた。身長すらも同じじゃなきゃダメだ、なんて。わがままいってごねる子供でもあるまいし。
 陽介は深くため息を吐いて、両手で顔を覆うと、そのまま座り込んでしまった。できることなら、少しの間道端の石みたいに誰にも気づかれないような存在になりたい。時折実感してしまう己の惨めさを、密かに捨て去れたら。
「どうしたんだ、花村」
 しゃがみ込んだ陽介を気遣う日向の声が、すぐ近くで聞こえる。背中を擦られ「そんなに俺に背が抜かされたのがショックだったのか……?」とすまなそうに言われてしまった。
  違うんだって。悪いのは、俺なの。自分で勝手にショックを受けて、自分で勝手に落ち込んでいるだけだから。だから、お前に慰められる資格もないわけで。それでも陽介は何も言わず、背中を擦ってくれる日向の優しさに触れていたいと思った。
 女々しすぎんだろ。陽介はあまりの情けなさに、少し泣きたくなってしまう。
  とりあえず、明日から牛乳や小魚をとるようにしよう。そう心に決め、伏せていた顔を上げる。そして日向に「もう大丈夫だ」となるべくいつも通りの表情になるよう、笑って見せた。


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