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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 朝目が覚めると、部屋中が美味しそうな匂いで満たされていた。重たい瞼をこすり、のっそり起き上がった優輝は、まず鼻をひくひくさせる。ほのかに甘い卵焼き。かりっかりに焼かれたソーセージ。ちょっと酢飯の匂いもする。
 匂いを嗅いでいるだけでも食欲が大いに刺激され、優輝のおなかが、ぐぅ、と音を立てる。
 すきっ腹の朝にこれはいけない。口の中で溢れそうになった涎を飲み込み、優輝はたまらず布団から抜け出した。すぐ隣にある台所への扉を開けると、予想通りの人物がそこに立っていた。
「ジュンゴ」
「あ……優輝。おはようございます」
 純吾が振り返り、起きたばかりの優輝を見て「まだ眠そうだね」と微笑む。
「うん。でもおいしそうな匂いさせてるからさ。起きちゃった」
 優輝は、ガスコンロの前でフライパンを使う純吾の隣に立った。あらびきウインナーが、じゅうじゅうと音を立てている。純吾がフライパンを転がす度、こんがり焼けたいい匂いが広がっていく。
 すぐ脇には、きれいに四角くまかれた卵焼きの皿。他にもポテトサラダや、から揚げ。三角のお揚げは、恐らく稲荷を作るためのものだろう。
「これ、朝ごはんか? やけに豪勢だな」
 おいしそうだけど、ちょっと胃もたれしそう。そう思いながら、出来上がった料理の数々を指をくわえて見つめる優輝に「ううん」と純吾は首を振った。
「今日すごくいい天気。外では桜も咲いてるよ」
「へえ、名古屋の桜はまだ見たことないからな」
「うん、とてもきれい。だから優輝とお花見したいなって、思って。だから、お弁当」
「そりゃいい!」
 優輝は破顔した。天気のいい日に咲き誇った桜の下。純吾の手作りお弁当を頬張りながら見上げる花は最高だろう。
  しぶとく居残っていた眠気が、一気に覚めた。優輝は目を輝かせて「顔洗ってくる!」と息巻く。
「準備してくるから、お弁当は任せた!」
「うん、おいしく作るね」
 にっこりと純吾が笑う。こっちが寝ている間にがんばってくれていたんだよな。優輝は何だか嬉しくなってきて、踵を浮かせた。優しい恋人の頬に唇を押し当てる。すぐに離れた唇の感触に、純吾は目を丸くしていたが、すぐに笑顔を弾けさせた。
 今日はとても楽しい一日になりそうだな。純吾の笑顔を間近で見つめ、優輝も負けじと笑い返した。



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