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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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回帰エンド後です


 引っ越しの荷物はそれほど多くはなかった。電化製品はこちらで買うつもりだったし、もし向こうに忘れ物があったとしても宅急便で送ってもらえば済む話だ。
 少ないとはいえ、開いた段ボールに置き場所を決めかねている荷物の数々で、部屋は片づいていない。これからゆっくり整頓し、必要なものを揃えていくつもりだ。
 新たな住処。作業の手を止めた優輝は、部屋の真ん中に座りぼんやりと辺りを見回した。今日からここが俺の家。まだ見慣れない間取り。窓からは当たり前だけど前とは違う風景が見える。
「――優輝」
 引っ越しの手伝いをしていた純吾が、部屋に入ってきた。
「休憩しよう」
「おっ、もしかして純吾が持ってきてくれたのか?」
「うん」
 純吾は水筒と紙袋を手に、優輝の前に座った。紙袋からは饅頭が出てくる。
「これなら、手が汚れないよ」
「ありがとな!」
 喜んで純吾からの差し入れを受け取り、優輝はさっそく包みを開けて頬張った。程よく口に広がるあんこの甘さに「やっぱ疲れた時には甘いものだよな!」と優輝は満足した表情をする。
「まだあるから食べてね」
 言いながら純吾は水筒から冷やした番茶を注いで、優輝に手渡した。甲斐甲斐しく世話をしてくれる純吾に「ありがとう」と優輝は笑う。
「引っ越しの手伝いまでしてくれてさ」
「ジュンゴがしたかったことだから。ジュンゴ、優輝が名古屋に来てくれてすごく嬉しい」
「そっか? ありがとな。がんばって名古屋の大学受かった甲斐があったよ」
 優輝は春から名古屋の大学に通う。同時にジプスの民間協力人として、大和の補佐につく予定だ。名古屋からなら、大阪や東京との距離があまりかわらない。
「ジュンゴ、お休みの時優輝にご飯作りに行くよ。茶わん蒸しとか……他にもいっぱい作るよ」
「そりゃ嬉しいな。……じゃあさ、これやるよ」
 優輝はデニムのポケットを探り、取り出した鍵を純吾に手渡した。鍵にはデフォルメされた猫のキーホルダーがついている。
「これ、ここの合鍵なんだ。ジュンゴなら信用できるし、俺がいなくてもそれで開けて勝手に入っていいから」
「……いいの?」
「ジュンゴだけだからな」
 優輝は悪戯っぽく片目をつむる。渡された合鍵を掌に乗せ、まじまじと見つめていた純吾の顔が喜色満面になった。
「ありがとうございます。ジュンゴうれしい」
 純吾はぎゅっと鍵を握りしめた。
「今度たくさんおいしい物作るね。食べたいものあったら、教えて?」
「いいけど……。食べきれないほどに作るなよ?」
 釘を刺しつつも、優輝は満更でもないように笑った。

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