小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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純吾が休みの日は、いつも一人暮らしをしている優輝のアパートにくる。そして料理や洗濯など、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。一度それを目の当たりにした大地は「……通い妻」と呟いていたけど、実質その通りっぽい感じがする。
言っておくが、俺が強制した訳じゃない。純吾が望んでしていることだ。やれることは自分できっちりやる、が信条の一つである俺は、純吾にも『ひとりでやれるから』と言った。だけど待っていたのはとても悲しそうな純吾の反応だ。しょんぼり肩を落とす様は、まるで言うことを聞いたのに、ご主人様に誉めてもらえなかった犬みたいだった。あんなの見たら、断れないだろうが。
だから俺は純吾の好きにさせている。やっぱり見るんだったら悲しい顔より、楽しい表情がいい。
今日の夕ご飯は肉じゃがだ。それからもちろん茶碗蒸し。台所からする匂いは食欲を増長させるには十分で、俺は今からご飯の時間が待ち遠しくなった。ラグの上で寝っころがっていた腹が鳴って、食事を催促してる。でもガマンガマン。空腹は最高の調味料なんだから、ここで堪えたら後の食事が数倍旨くなる。
でも、でも……つまみ食いだってしたい。あんなにおいしそうな匂いをさせておいてご飯の時間までお預けなんてちょっとつらい。
矛盾した思いに床を転がっていると「優輝?」といつの間にか純吾が部屋の戸口に立っていた。
「そんなに転がったら、目が回っちゃうよ」
「その前に空腹で目が回りそうだけどな……」
うつ伏せの状態で止まり、肘を突いた俺は純吾が持っているものに、思わず身体を起こして座りなおした。
「それ、出来立てか!?」
「うん。味見してほしくて」
純吾は俺の前で正座し「はい」と持っていた器を渡した。箸が添えられた器の中には、ほかほかと湯気を立てている出来立ての肉じゃが。
なんてナイスタイミング。俺は「ありがとう!」とさっそく箸をつける。
うん、うまい。相変わらず和食は純吾のお得意料理だ。味といい、じゃがいものほくほく具合といい、俺の中で最高の地位を築き上げる。もちろん一位は茶碗蒸しだけど。
「おいしい?」
「うん、うまい!」
「……よかった」
ほっとして純吾は空になった器を受け取り「もうちょっと待っててね」と立ち上がる。
「待つ待つ! 楽しみにしてるからな!」
台所へ引っ込みかけた純吾が、半歩後戻りして俺を見た。
「ジュンゴも、ご飯の後楽しみにしてるね」
「…………お、おう」
小さく口元をゆるめ、純吾は今度こそ台所へ戻っていった。わかっちゃいたが、やっぱり照れる。
ご飯が終わったら、俺に尽くした分、純吾はこっちに甘える。
まあその内容は色々な訳で。俺としては全然かまわないけれど、それぐらい純吾はこっちに尽くしてくれるし。
だけどさっきみたいに宣言されると、やっぱりちょっと恥ずかしいな。前のことを思い出した俺は、かーっと頬が熱くなるのがわかった。
うわ、すっごい、恥ずかしい。
俺は近くにあったクッションを抱えると、また床に転がった。せめてご飯の後風呂にはいるときは念入りに身体を洗っておこうと心に決めた。
言っておくが、俺が強制した訳じゃない。純吾が望んでしていることだ。やれることは自分できっちりやる、が信条の一つである俺は、純吾にも『ひとりでやれるから』と言った。だけど待っていたのはとても悲しそうな純吾の反応だ。しょんぼり肩を落とす様は、まるで言うことを聞いたのに、ご主人様に誉めてもらえなかった犬みたいだった。あんなの見たら、断れないだろうが。
だから俺は純吾の好きにさせている。やっぱり見るんだったら悲しい顔より、楽しい表情がいい。
今日の夕ご飯は肉じゃがだ。それからもちろん茶碗蒸し。台所からする匂いは食欲を増長させるには十分で、俺は今からご飯の時間が待ち遠しくなった。ラグの上で寝っころがっていた腹が鳴って、食事を催促してる。でもガマンガマン。空腹は最高の調味料なんだから、ここで堪えたら後の食事が数倍旨くなる。
でも、でも……つまみ食いだってしたい。あんなにおいしそうな匂いをさせておいてご飯の時間までお預けなんてちょっとつらい。
矛盾した思いに床を転がっていると「優輝?」といつの間にか純吾が部屋の戸口に立っていた。
「そんなに転がったら、目が回っちゃうよ」
「その前に空腹で目が回りそうだけどな……」
うつ伏せの状態で止まり、肘を突いた俺は純吾が持っているものに、思わず身体を起こして座りなおした。
「それ、出来立てか!?」
「うん。味見してほしくて」
純吾は俺の前で正座し「はい」と持っていた器を渡した。箸が添えられた器の中には、ほかほかと湯気を立てている出来立ての肉じゃが。
なんてナイスタイミング。俺は「ありがとう!」とさっそく箸をつける。
うん、うまい。相変わらず和食は純吾のお得意料理だ。味といい、じゃがいものほくほく具合といい、俺の中で最高の地位を築き上げる。もちろん一位は茶碗蒸しだけど。
「おいしい?」
「うん、うまい!」
「……よかった」
ほっとして純吾は空になった器を受け取り「もうちょっと待っててね」と立ち上がる。
「待つ待つ! 楽しみにしてるからな!」
台所へ引っ込みかけた純吾が、半歩後戻りして俺を見た。
「ジュンゴも、ご飯の後楽しみにしてるね」
「…………お、おう」
小さく口元をゆるめ、純吾は今度こそ台所へ戻っていった。わかっちゃいたが、やっぱり照れる。
ご飯が終わったら、俺に尽くした分、純吾はこっちに甘える。
まあその内容は色々な訳で。俺としては全然かまわないけれど、それぐらい純吾はこっちに尽くしてくれるし。
だけどさっきみたいに宣言されると、やっぱりちょっと恥ずかしいな。前のことを思い出した俺は、かーっと頬が熱くなるのがわかった。
うわ、すっごい、恥ずかしい。
俺は近くにあったクッションを抱えると、また床に転がった。せめてご飯の後風呂にはいるときは念入りに身体を洗っておこうと心に決めた。
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