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小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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 名古屋にある公園で純吾が猫と戯れていた。どこからともなくあらわれる猫の多さに、大地は思わず驚いてしまう。どんだけ懐かれてんの、猫に。
 どの猫も純吾に対して甘えた声で鳴き、身体をすり寄らせる。純吾は小さく口元をあげて、しゃがんだ。そして平等にその頭や毛並みを柔らかい手つきでなでる。なでられた猫はみな、目を細め尻尾を揺らす。中には転がって腹を見せ、従順ぶりを発揮した。
「さすがはジュンゴ。名古屋中の猫を手なずけられそうだな」
「ん……。名古屋中の猫、ジュンゴも撫でてみたいな」
「やー、でもそれはそれでちょい怖いかも」
 純吾を中心に大量の猫が集まる様子を思い浮かべた大地の笑顔が引きつった。自分で言っておいてなんだけど、ちょっと怖い。でも純吾は喜びそうだよな
「にしても幸せそうだな、ジュンゴ」
「ジュンゴ、猫好き。かわいくて、あったかい」
 純吾は黒猫を抱き上げる。優しく胸に抱き、背中をいとおしくさする。
「でも最近は、うさぎさんもすき」
「兎? へー、そうなんだ」
「うん、いつでも元気いっぱいに飛び跳ねてて」
「ふんふん」
「たくさんご飯食べてて」
「へえへえ」
「この前も、ジュンゴの茶わん蒸し、一番おいしいって言ってくれた」
「ほうほう……って、んん?」
 兎って茶わん蒸し食べれるのか、ってかおいしいって兎が言ったのか。大地は違和感がした。どうも純吾と認識の違いが生じているようだ。
「髪の毛もふわふわで……、ずっと触っていたいけど、怒られるからちょっとさみしい」
 とつとつと語る純吾を「ちょっとタンマ」と大地が手で制した。
「どうしたのダイチ?」
「つかぬ事をお聞きしますけど。ジュンゴの言ってるうさぎって、うさぎじゃないよね。うさぎっぽいフードかぶってるアイツのことだよな、な」
「うん、そう。ユウキはうさぎさんみたい。着ている服もうさぎさん。だから最近うさぎさんも気になってる。……ユウキ、大学まだ終わらないのかな。ジュンゴ、ユウキに会いたい」
 抱きしめる猫の身体に鼻を埋め、純吾はここにはいない相手に思いを募らせる。優輝は今、ジプスから任せられた用事を済ませるため、ターミナルから大阪に行っている。帰りはもうしばらくかかるとさっき連絡が入り、二人は優輝の帰りを待っているところだった。
「うさぎさんもふもふしたら、ユウキに会えなくてさみしいの、消えるかな?」
「どうだろなー。多分ユウキは、うさぎを俺代わりにするな、っていいそうだよな。アイツあれで寂しがり屋だから。身代わり作られちゃ、多分すねそうだし」
 部屋の隅で背中を丸め、壁に向かって座る優輝の姿が大地の脳裏に浮かぶ。
「もうちょっとで戻ってくるだろうから、それまで我慢してようぜ」
「ん。時には我慢も大切だって、オトメ言ってた。だからジュンゴ、ガマンする。ユウキ戻ってきたら、ユウキをよしよしする」
「おお、そうしろそうしろ。暴れるだろうけど、俺はジュンゴを応援しちゃるからな」
「……うん、ジュンゴがんばるね」
 意気込む純吾は、抱き上げていた猫をおろした。優輝が戻ってきたときのことを考えているのか、表情は猫を構っている時よりも数倍柔らかく微笑んでいる。きっと優輝以外にはあまり見せない顔だろう。そのせいか、見ているこっちが恥ずかしくなりそうで、妙な照れくささを感じた大地は、目線を純吾から反らした。


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