小話色々。只今つり球アキハルを多く投下中です、その他デビサバ2ジュンゴ主、ものはら壇主、ぺよん花主などなど
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ウェブ拍手でリクいただいたものですー。
遅くなりましたが、どうぞ!そしてリクありがとうございました!!
あっと思ったときには遅かった。
シャドウを倒さんと頭上に振りかぶった刀が、日向の手からすっぽ抜けていく。くるくると回転し落ちた刀は、床を滑って離れた場所で止まる。
「あ……」
呆然と日向が武器を失った両手をまじまじ見つめた。
ってそんなことしてる暇ねえっての。陽介は慌ててジライヤを喚び、日向に襲いかかるシャドウをペルソナの疾風で吹き飛ばした。
吹き飛ばされたシャドウは昏倒してそのまま霧散する。しかしまだ戦いは終わっていない。残ったシャドウが、丸腰の日向に狙いをつけ、向かってくる。
「橿宮! 早く武器拾ってこい!」
陽介は大声で指示を出し、日向に向かって走った。
しかし日向は陽介の声が聞こえないのか、その場から動かない。逃げる素振りも全く見せない様子に、何やってんだ、と焦る。死ぬかもしれねえのに。
「……」
日向が己に向かってくるシャドウをひたりと見据える。人差し指でメガネのフレームを押し上げ、軽く腰を落とした。
「橿宮!?」
何するつもりだ。陽介は嫌な予感がした。それを増長させるように「いっけー橿宮くん!」と右手を大きく振りあげた千枝の発破が響く。
行けってなんだよ、行けって。混乱する陽介を余所に、右足を引いた日向が、走り出した。まっすぐ、シャドウに向かって。
陽介はぎょっとした。ペルソナも発動していない、武器も持っていない。まるで自殺行為じゃないか。無謀すぎる。
縮まる日向とシャドウの間に割って入って止めたいが、距離があるので間に合わない。陽介はそれでも走り、日向に怪我をさせたくない一心で意識を集中させた。ジライヤなら遠くともこちらの攻撃がさっきのように届く。
日向に接近したシャドウが敵意を剥き出しにして、牙をむく。
その瞬間、日向は走る勢いそのままに、床を蹴った。
「――はっ!!」
飛び膝蹴りが、シャドウの胴体に食い込む。空気を振るわせ、痛みに呻いたシャドウがその場に倒れた。
しかし日向の猛攻は続く。床に着地するやいなや、右足を軸にして、ぐるりと回る。遠心力で勢いをつけた回し蹴り。そして軸足を逆にして続けざまにもう一撃。
「――はぁああっ!!」
とどめに裂帛の気合いを込めた声と共に、シャドウの身体をまるでサッカーボールのように蹴りとばしてしまった。
シャドウは遠くまで吹っ飛び、そのまま消えてしまう。同時に陽介の緊張も一気に抜け落ちていった。
脱力して、へなへなと膝を突く。相棒、お前いつから里中になったんだ。
うなだれる陽介を余所に、飛ばされた武器を拾った千枝が「すっげー!」と日向に駆け寄った。
「橿宮くん前よりすごい様になってたよ! やっぱスジあるって!」
「そうかな」と武器を受け取り日向は口元を僅かに緩めた。
「ここまで出来たのも、里中のおかげだから」
「あと長瀬くんのおかげだよね」
「ああ、サッカー部でとことん鍛えてもらったからな。里中にも、お陰で今みたいに武器がなくても何とかなりそうだ。ありがとう」
「へへっ……」
誉められ、嬉しそうに千枝は鼻の下をこすった。
「いつでも里中道場開いたげるから、また特訓しようね!」
「ああ」
「うんうん、橿宮くんならさ、もっと修行したらドーン! ってなるから!!」
「ドーン、か。……じゃあ、がんばる」
がんばるってなにをだよ!?
脱力したまま話を聞いていた陽介は、内心つっこみを入れてしまった。このままでは相棒が里中二号になってしまう。そして、俺への突っ込みがいろいろ厳しくなる。橿宮は涼しい顔してえぐるようにそれをしてくるから。
このままではマズいと思うが、どことなく嬉しそうな日向の顔に邪魔するかどうか陽介は迷い葛藤した。
遅くなりましたが、どうぞ!そしてリクありがとうございました!!
あっと思ったときには遅かった。
シャドウを倒さんと頭上に振りかぶった刀が、日向の手からすっぽ抜けていく。くるくると回転し落ちた刀は、床を滑って離れた場所で止まる。
「あ……」
呆然と日向が武器を失った両手をまじまじ見つめた。
ってそんなことしてる暇ねえっての。陽介は慌ててジライヤを喚び、日向に襲いかかるシャドウをペルソナの疾風で吹き飛ばした。
吹き飛ばされたシャドウは昏倒してそのまま霧散する。しかしまだ戦いは終わっていない。残ったシャドウが、丸腰の日向に狙いをつけ、向かってくる。
「橿宮! 早く武器拾ってこい!」
陽介は大声で指示を出し、日向に向かって走った。
しかし日向は陽介の声が聞こえないのか、その場から動かない。逃げる素振りも全く見せない様子に、何やってんだ、と焦る。死ぬかもしれねえのに。
「……」
日向が己に向かってくるシャドウをひたりと見据える。人差し指でメガネのフレームを押し上げ、軽く腰を落とした。
「橿宮!?」
何するつもりだ。陽介は嫌な予感がした。それを増長させるように「いっけー橿宮くん!」と右手を大きく振りあげた千枝の発破が響く。
行けってなんだよ、行けって。混乱する陽介を余所に、右足を引いた日向が、走り出した。まっすぐ、シャドウに向かって。
陽介はぎょっとした。ペルソナも発動していない、武器も持っていない。まるで自殺行為じゃないか。無謀すぎる。
縮まる日向とシャドウの間に割って入って止めたいが、距離があるので間に合わない。陽介はそれでも走り、日向に怪我をさせたくない一心で意識を集中させた。ジライヤなら遠くともこちらの攻撃がさっきのように届く。
日向に接近したシャドウが敵意を剥き出しにして、牙をむく。
その瞬間、日向は走る勢いそのままに、床を蹴った。
「――はっ!!」
飛び膝蹴りが、シャドウの胴体に食い込む。空気を振るわせ、痛みに呻いたシャドウがその場に倒れた。
しかし日向の猛攻は続く。床に着地するやいなや、右足を軸にして、ぐるりと回る。遠心力で勢いをつけた回し蹴り。そして軸足を逆にして続けざまにもう一撃。
「――はぁああっ!!」
とどめに裂帛の気合いを込めた声と共に、シャドウの身体をまるでサッカーボールのように蹴りとばしてしまった。
シャドウは遠くまで吹っ飛び、そのまま消えてしまう。同時に陽介の緊張も一気に抜け落ちていった。
脱力して、へなへなと膝を突く。相棒、お前いつから里中になったんだ。
うなだれる陽介を余所に、飛ばされた武器を拾った千枝が「すっげー!」と日向に駆け寄った。
「橿宮くん前よりすごい様になってたよ! やっぱスジあるって!」
「そうかな」と武器を受け取り日向は口元を僅かに緩めた。
「ここまで出来たのも、里中のおかげだから」
「あと長瀬くんのおかげだよね」
「ああ、サッカー部でとことん鍛えてもらったからな。里中にも、お陰で今みたいに武器がなくても何とかなりそうだ。ありがとう」
「へへっ……」
誉められ、嬉しそうに千枝は鼻の下をこすった。
「いつでも里中道場開いたげるから、また特訓しようね!」
「ああ」
「うんうん、橿宮くんならさ、もっと修行したらドーン! ってなるから!!」
「ドーン、か。……じゃあ、がんばる」
がんばるってなにをだよ!?
脱力したまま話を聞いていた陽介は、内心つっこみを入れてしまった。このままでは相棒が里中二号になってしまう。そして、俺への突っ込みがいろいろ厳しくなる。橿宮は涼しい顔してえぐるようにそれをしてくるから。
このままではマズいと思うが、どことなく嬉しそうな日向の顔に邪魔するかどうか陽介は迷い葛藤した。
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